狂気の沙汰も萌え次第

雑記ブログのはずが同人女の日記になりました。

でかつよ[2024/3/20(水・祝)]

トコジラミに怯えながら起床。仕事で名古屋に来ており(といっても毎月来ているが)たまたま翌日が祝日だったので一泊して観光することにした。今までも翌日が土日ってことはあったが、もうそれどころじゃなくて、やっと訪れてた名古屋満喫チャンス!!!だったのだが、前日の夜にほんとにいろいろと削られる嫌なことがあったので、その悲しみが二日酔いのように残ってしまっていた。気にしたら負けだ、と思うほど、落ち込む気持ちが湧いてくる。あの一言さえなければ一年で一番楽しい仕事の日になったのにな~~~~~クソが。

ホテルの外に出ると天気予報に反して雨だった。エスカを通って地下鉄に乗る。たまたま来た電車が高須クリニックのラッピング地下鉄でテンションが上がった。英津子先生に肌治療してほしいし、幹也先生に鼻の執刀をしてもらいたい…。名古屋市内から地下鉄で30分ほどで水族館のある名古屋港駅に到着。外に出ると雨があがっていたのいたでよかった。
開館直後でもチケット購入列は長蛇の列で、めんどくさがりな自分は電子チケットを買おうとしたのだがなぜか何度も決済エラーが出て買えず。結局並んでチケットを買った。カードは問題なく使えるのになぜ…結局10分ならんで展望台・南極観測船ふじもみれる共通チケットを買った。


名古屋港水族館に行ったのは、シャチとシロイルカを見たかったから。鴨川シーワールドで見れるらしいが、なんせ行きにくいのでこの機会で見たかった。
名古屋港水族館、いままで行った水族館の中で一番迫力がある。すべてがデカい&多い。10m×10mくらいの水槽の中にシャチとイルカがいて、イルカの水槽はさらに30mくらいの奥行きがある。とんでもねぇ広さだ。しかもシャチ&イルカ&シロイルカベルーガ)はショーでなくてもいつでも見られるらしい。イルカが群れを成して泳いでいるところを初めて見た…
イルカ水槽の前には階段状の座るスペースが設けられており、じっくりと気が済むまで眺められるようになっている。壁際には研究論文をまとめたパネルがズラリと並んでおり「研究機関としてめちゃくちゃ真面目やんけ!!」と思った。研究はイルカの声についての研究だった。

イルカショーでは6~7頭が登場し、ダイナミックな技を見せてくれた。本当にすべてがデカい&多い。そこからベルーガの水槽に行くと、2匹のベルーガがゆったり泳いでいるのが見えた。メスのベルーガは妊娠中だそうで、お腹が膨れているのがよくわかった。背泳ぎのようにお腹を水面にむけて泳ぐのがかわいい。まるで人魚のよう。

南館に移動すると、イワシの回遊から展示がスタート。「マイワシのトルネードの列」と書かれた看板があり、定時でマイワシのトルネードの列がみられるらしい。カサゴやタコ、イカを見てからスロープで下の階に降りていく。イカが泳いでいる展示って意外とないのでうれしい。触腕がゆらゆらしていた。
地下では深海の展示。これが一風変わった展示方法で、暗い水槽(実際は水が入っていないと思われる)の中に熱水噴出孔(チムニー)などの環境を人工的に作り出し、そこにコンピュータグラフィックで魚を投影、それにあわせてナレーション音声が流れるという展示をしていた。ディズニーシーの海底2万マイルのような仕掛けで面白かったし、とても勉強になった。グラフィックの雰囲気が平成初期の教育ビデオのそれで、とても楽しい。名古屋港水族館のオープンは平成4年だそうです。すぐ近くには18世紀の潜水服なども置いてあった。深海魚のチョウザメの卵(本物でふ化途中)やオオグソクムシなど興味深い展示がたくさん。ほんとうにめちゃくちゃ面白い…関東の水族館は映えやムードを重視しているところが多いが、ここは研究機関だという矜持が見え隠れしている。いいぞ!!!名古屋港水族館!!!!

赤道のサンゴ礁と熱帯魚の水槽もよかったし、大陸移動説のビデオ&オーストラリア水槽(スッポンモドキ、ハイギョ)もよかった。まじでここは勉強できる水族館だ…。
ペンギン水槽には見たことがないほどのペンギンがいた。100羽はいるんじゃないか? 調べると2022年の時点で164羽いたらしい。そこから多少増減しているだろうが、とにかくペンギンの大群がいた。数の多くを占めているのがアデリーペンギン、そのほかはコウテイペンギン、ジェンツーペンギン、ヒゲペンギンがいた。日本ではめずらしい種類のペンギンがよくもこれだけ集まったなという感じがする。アデリーペンギンがいるとコウテイペンギンのサイズ感がよくわかってよかった。
ペンギンの人工飼育の解説コーナーでは「人間を見ると自分が人間であると思いこむため、親鳥を模した専用の手袋を使って餌を与えます」と書いてあって「ヒナが人間を親だと思い込むんじゃなくて自分が人間だと思い込むのか!」という衝撃を受けた。

もう一度北館に戻り、シャチの公開トレーニングを見る。ダイナミックにジャンプするザブンと水しぶきがあがる。大きな体で飼育員に甘えるシャチがとにかくかわいい…でかつよでかわだ。この水族館のすごいところは、水中カメラ、陸上カメラの2つでリアルタイムで動物を映し、リプレイまで流してくれるところだ。

展望台に移動し、税関の展示などを見る。展望台からは金城ふ頭方面がよく見えた。南極観測船も、船室内に等身大のリアルな乗務員人形があって当時の雰囲気が伝わってきた。名古屋港で思いっきりあそんだらもう結構いい時間になっていたので移動。

金山で一度新幹線の指定席の変更をしてから熱田神宮へ。敷地がかなり広く、名鉄神宮前駅から歩いてもしばらくかかった。本殿もたっぷりとした空間の使われ方で心が洗われるよう。昨日の嫌なことが吹き飛びますように!とお願いした。そこから地下鉄でさらに移動し、丸の内のパスタdeココへ!!今回はこれを食べに延泊したと言っても過言ではない。ココ壱が好きすぎるので、絶対パスタdeココであんかけスパが食べたかった。ボンキャベ(ボンゴレ+キャベツ)を鉄板盛りにしてもらい食す。うま~~~……やっぱ自分あんかけスパ好きです。

今日はとにかく風が強く、体感気温がかなり低い日。上は冬用のコートだがコートの中は春用の服だったため、完全に着る服を間違えた人になっていた。帽子まで飛ばされそうなほどだったし、ゴミが目に入って痛かった。散策がてら歩いて名古屋駅に行こうと計画していたが、あまりに風が強いので大人しく地下鉄で名駅まで移動。そういえば2018年の春分の日も天気が大荒れで雪が降った記憶がある。その日はジムに行って近所のいきなりステーキに行ってそのままヨーカドーで買い物をして、楽しい日だった。

名古屋駅のサイネージにはジブリパークの宣伝が多く並ぶ。新幹線に乗ってからOver The Sunの推し旅ポッドキャストを聞いた。駅弁食べたいな~と思いながらも、ユーハイムで買ったケーキを食べる。難しい名前のケーキだったけど、味わいはシンプルでとても美味しかった。おいしいケーキを食べながら、高速で後ろに流れる景色を見て、スーさん、美香さんのはしゃぎを聞いていると、すべての嫌なことがどうでもよくなった。血糖値があがったせいか、ポッドキャストを聞き終えるとすぐ寝てしまい、目が覚めたらもう東京だった。



鈍行の電車の中で海外旅行についていろいろ調べてみた。
下手な国内旅行行くより全然安く行けるじゃん…実家でさんざん海外旅行や沖縄旅行は金持ちしか行けないという刷り込みをされてきたから、そんなことも知らなかった。

読んだ本

山内マリコ『あのこは貴族』

実家が松濤の医者である上流階級の箱入り娘・華子が、ひとりの男性をきっかけに「女に大学はいらん」な閉鎖的な田舎から東京に出てきた女性・美紀に出会う。「あのぅ……」と言ったセリフから、おっとりしたお嬢様感がにじみ出ている。星付きホテルとタクシーと昔からの付き合いだけで完結している世界。真相はどうかわからないけど、きっとこんなリッチな生活をしてるんだろうな、という描写のリアリティさがすごかった。それは地方出身の美紀の境遇も同じで、地方の寒々しさと下世話さと中学のヒエラルキーがそのまま受け継がれている空気感の描写といったらなかった。
「女の人って、女同士で仲良くできないようにされてるんだよ」の話がとてもよかった(正社員と派遣など、雇用形態や業務内容で溝を作っていさかい意を発生させ、キャットファイトをおもしろがる人々と、女性を分断することによって成立する社会)女同士、意外と分かり合えるしフォローしあえる。シスターフットな空気感がとてもよかった。
ポストに風俗のチラシが入っていて「男の性欲は社会全体で容認されており、若い女よ、お金のためにさあ体を売れ」と社会が語りかけてくるという描写に、こうやって文字にするとすさまじい社会だなと思った。
冒頭とラストのタクシーの演出が映画っぽいな、と思ったのだが、作者の山内さんは映像系の学部を出ているそう。なるほど。


www.youtube.com
堀込高樹提供曲。PVも素晴らしい。