狂気の沙汰も萌え次第

雑記ブログのはずが同人女の日記になりました。

東海汽船・ミステリーきっぷで行く伊豆諸島(神津島滞在時間RTA16分30秒)

お客様の行き先は神津島に決定しました。



そう告げられたのは竹芝のフェリーターミナルでのことだった。私が購入したのは東海汽船が発売している「ミステリーきっぷ」で、大島、利島、新島、式根島神津島の5つのうちどれかに向かう夜行日帰りのツアーだ。


↑行き先を告げられながら発行されたきっぷ。

どの島に行ってもトレッキングはできるため(特に大島は三原山に登れるので楽しみにしていた)、とりあえずトレッキング用品をリュックに詰めてターミナルに向かてっていた。「行先が神津島ならこれが全部荷物になるな~」なんて思っていたが、まさか神津島を引き当てるとは。ちなみに、夜10時に竹芝を出る船は神津島に翌朝10時00分に到着し、10時30分に出発するスケジュールで、神津島での滞在時間は30分しかない。

そしてこの日は利島、新島、式根島が条件付きの運行(着岸出来ない可能性がある)だったため、行き先は実質大島と神津島の2択だったわけだ(確実に着岸できる島しか行先に選ばれないらしい)それにしてもまかさ神津島を引き当てるとは。

30分を満喫するために私はまず、登山靴やトレッキング用のウエアなどをすべて待合室のコインロッカーに預けた。そして神津島の観光スポットを調べる。港は2つあり、どちらに着くかも未定だった。多幸湾だと湧き水が、前浜湾には神社があるらしい。なるほど…とりあえず翌朝10時までは暇なので、売店で酒を買い足した。

乗船。レインボーブリッジを抜ける。小笠原に行くときもレインボーブリッジの下を通ったが、その時は昼間だったので夜景は初めてだった。この日は夕方に雪が降った影響で外気温が2度ほどと寒かった。船が速度を上げるにつれてデッキで受ける風も強くなる。帽子を飛ばされないよう気を付けつつ、工場夜景を見た。


その後、デッキで20分ほどポッドキャストを収録し、さすがに寒さに耐えきれなくなったので自分の席へ移動。消灯まで隣の席の人と酒を飲みながら雑談した。その方も私と同じくミステリーきっぷの記事をネットで見て今回初めてさるびあ丸に乗船したとのこと。そして行先も私と同じ神津島だった。約21時間の乗船耐久レース頑張りましょうね。

今回きっぷを取ったのは1等席。「式根や神津の遠い島を引いたときに体が痛くならないように」と思い、敷き布団、枕、毛布、コンセントがついている1等席を選んだ。(2等だと家からエアマットを持参しないとつらいし、どうせ毛布は借りることになる)価格は往復で7000円。ちなみに2等和室は5000円なので、差額が2000円ぽっきり。思い切って1等席を選んでよかった。2等だったら腰が死んでいた。





翌朝、6時前に大島到着前のアナウンスが流れる。窓の外の水平線にはオレンジ色の光が見えた。まだ朝が来ていないところと、もう朝が来ているところの境界がくっきり見えて、地球は丸いんだなぁという月並みなことを思った。その後二度寝して9時ごろに起床。洗面・歯磨きをして、デッキで持参したおにぎりを食べる。日が出るとそれほど寒くなく、遠くに三宅島がはっきり見えた。





これは途中寄港してる新島か式根島の港。


ツイッターでもはしゃぐ。

いよいよ到着です。

波の影響で着岸が10分ほど遅れる。10時13分に神津島へ降り立ち、とりあえず湧き水に向かって走る。他の客も走っている。桟橋を老若男女問わずダッシュする姿をみて、なんだか青春だと思った。



海を見るとめちゃくちゃ青い。小笠原ともまた違った海の色だった。海ごとに海の青さがあるのだなぁと思う。3分ほどで湧き水に到着。海岸の目の前でこんなに豊富に真水が湧くなんてすごいなぁと思った。サバイバルするとしたら大助かりする。とても美味しく、手持ちのペットボトルに詰めて帰った。


湧き水の裏は断崖絶壁で、日本本土ではなかなか見られないような海岸の景色だった。特に私は真っ黒い日本海しか知らないので、太平洋側の海岸や、離島に行くと毎回新鮮な驚きがある。

海の写真を撮る。港の待合所からピアノの音が聞こえて中に入ると、待合室の中にアップライトピアノがあり(しかもきちんと調律されている)曲を弾いている男性がいた。ここが心に一番残っている旅の風景である。記念のスタンプを貰い、船に戻る。
10分入港が遅れたので出港も多少遅れるだろうと見越して10時29分に乗船受付。結局35分くらいまでパラパラと人がやってきた(だいたいはミステリーきっぷの客たちだった)。こういうときにもっとドンと構えてられるようになりたい。ちょっと心配性だから少しはやめに行動してしまう。神津島滞在RTAは驚異の16分30秒でした。お疲れ様でした。





帰りはなるべく起きて島々を見ながら帰る。デッキでカップラーメンを食べたり、布団の中で本を読んだりしたが、結局眠くなって3時間ほど昼寝した。私は船に乗ると眠くなるタイプで、佐渡に行く船も千葉に行く船でも短時間の乗船でも眠くなる。一定のリズムで揺れるからかもしれない。途中、式根島や新島、大島などに寄りながら北へ航行する。







この日竹芝の港に客船が入っているとかで、帰りは45分到着が遅れた。横浜の大さん橋で降りてもいいというアナウンスが入ったが、どうせ一度竹芝ターミナルに戻って登山靴を回収しなければならなかったので最後まで乗った。横浜からは夜景見物客が大勢乗船して、船内はさわがしくなった。そういえば船内の謎解きゲーム、結局やらなかったな…。

20時半に竹芝に到着。乗船時間は約22時間でした。部屋に窓があるのと、敷き布団のおかげで小笠原丸より快適な旅だったように思う。登山靴を回収してすき家でほろほろチキンカレーを食べて帰宅。

今回、ゆっくり船旅を楽しめたので非常に満足です。ちなみに1等で神津島を往復すると約3万円かかるそうなので、かなりお得に移動できたことになります。またミステリーきっぷが発売したら乗りたいと思います。ついでにサロモンあたりのローカット軽登山靴を買おうかな。