狂気の沙汰も萌え次第

雑記ブログのはずが同人女の日記になりました。

I got time to lose[2024/1/18(木)]

今週の外食費が1万円を超えそうでちょっとヤバい。2023年はさすがに外食が多すぎたので、逐一メモにいくら使ったのかを書き出すようにした。そのおかげでヤバさが可視化されたわけだ。
外食するのはだいたい夜。そもそも、定時で帰っても帰宅が20時前なので、自炊する気が起きないしお腹が減って仕方ない。昼弁当を持って行ってるのによる外食してしまっているので本当にもったいない金の使い方をしている。
最近食べたもので美味しかったのはCoCo壱の海の幸カレー野菜トッピングです。ワイヤー調整の前しかカレーを食べられないから、限られたカレー喫食チャンスを無駄にしない!!! Yes!!!!カレーチャンス!!!!!
あと、神田の江戸っ子寿司スマートレーンに行ったらちょい飲みセット(ドリンク1杯+軽めの刺身・おつまみ)がなんと390円(要他のメニューも別途注文)だったのは驚いた。迷わず頼んだ。今すぐ行け。最近アツいのは天丼てんやのちょい飲みセット。天ぷら盛り合わせとビールが驚異の740円。安すぎる。揚げ物なので頻繁には行けないが、何かに困ったときに行きたい。


食べ物の話題はここらへんにして、今日は下の4番の歯を抜くために午後休を取得した。午後休を取る日の、あの解放感と言ったらない。明るい時間の少し空いた電車に乗るのが何よりの幸せだ。
歯医者までの時間で西荻の松庵文庫へ。晴れた日に庭を見ながらコーヒーを飲むやつをしたかった。昼過ぎに行くと、空席を10分ほど待ってから席に着く。まだランチタイムだったがご飯はパスしてキャロットケーキとコーヒーをオーダーした。右横の小窓から差し込む木漏れ日が暖かく、庭先の木にはキンカンらしき実が生っていた。キャロットケーキはスパイスが聞いておいしく、上に載っているクリームももったりしていて最高! 持参した本を読みながらしばらくゆっくり過ごした。平日の高めのカフェに行くと、自分の人生とは交差しない人たちがたくさんいる。主婦っぽい人や、定年退職したらしき夫婦など、年齢層は高め。そんな空間がやけに落ち着いた。


さて夕方からは本日のメインイベントの抜歯。複数人で抜く歯に間違いないかチェックしてもらい、抜歯。抜く前に「随分浮かない顔してるけど大丈夫?」と院長先生に半笑いで言われた。顔に出やすくて恥ずかしい。痛いのが嫌と言うより、健康な歯を失うのが本当に嫌だ。歯並びのためには仕方ないのだけれど……ないんだけれど……。人生。
ペンチが歯にかかり、グイグイ力がかかる。麻酔が効いていて全くないものの、骨を揺らすように力がかかるのは本当に気持ち悪い。しばらくして1本目を抜き終えた。上の歯よりするっと抜けた。同様に2本目も抜き終わり、抜糸完了。



帰宅途中、麻酔がまだ残っているうちから歯がじんじん痛み出す。神経が通っている関係で上の歯より痛みが強い(これは親知らずと同じ)。こりゃまずいとなってロキソニンを追加、やっぱり下の歯を抜くのは痛い。
買い物がてら地元のスーパーの写真屋さんに寄った。フィルムカメラの現像をお願いすると1時間で出来上がるとのことなので、スーパーのゲームコーナーで太鼓の達人をしたり、メダルゲームをしたり、買い物をしたらあっという間に1時間が経っていた。平日の夕方のスーパーってのどかだな。久々にいい時間の使い方だった。


家に帰って写真をアルバムに入れる。屋内で撮った写真や夕方に撮った写真は何枚か失敗していたけど、これもまた味だと思った。麻酔が切れた頃に、食事、そしてシャワー。痛くて中国語の勉強をする気も起きず、本を読む気にもならないのでゲーム(Two Dots)をしていたらそのまま寝てしまった。



読んだ本

堀井美香『一旦、退社。 50歳からの独立日記』

長年局アナを務めていた堀井さんが50歳でTBSを一旦退社し、「沖に出る」本。Over The Sunでこの本を知り手に取った。ラジオだとほわほわしていてスーさんに押され気味な感じもする堀井さんだけど、こんなしっかりした筆致で日常を綴るのかとちょっと意外だった。朗読会を立ち上げ、全国いろんなところに出かけ試行錯誤しながら自分のやりたいことを実現していく姿に胸を打たれる。「胸を打たれる」という表現は普段からあまり使わないようにしているのだが、彼女の取り組みは胸を打たれるとしか言いようがない。ボランティアをしたり、本当に慈愛の人だな。ヒールの話も良かった。


村上春樹騎士団長殺し・上』

妻に「これ以上一緒に暮らせそうにない」と切り出された肖像画書きの主人公は、早春の東北と北海道をしばらくふらつき、広尾から小田原に移り住む。「騎士団長殺し」は小田原の家の屋根裏で発見した日本画のタイトルで、絵をキーに物語が進んでいく。
まさか幽霊ものの要素が入ってくると思わなかったので楽しく読んだ。幽霊ものは好きです。まあ後は人妻と割り切った関係でいちゃこいたり、若かりし妻のことを思い出したり、知り合いと気の利いたシェフが作る上等な食事をしたりして、さて物語はいったいどこに向かっていくんだというところで「知人の娘かもしれない」一人のやけにものわかりのいい少女が登場。そして上巻のラストで「ぼくもぼくのことが理解できればと思う。でもそれは簡単なことじゃない」という、ごくシンプルな命題に行きつく。
パーツだけ切り取ってみると気持ち悪い話だなと思わないでもないが、そういうものだと枠組みで受け止める。騎士団長はかわいい。

観た映画

こちらあみ子(2022年、森井勇佑監督)

原作は今村夏子のデビュー作。誕生日にトランシーバーを貰ったあみ子だが、対になっているもうひとつのトランシーバー通信してくれる人はいない。というか、映画を通して、あみ子に応答してくれる人はいない。気にかけてくれる坊主頭の同級生はいるが、そのやさしさはあみ子には届かない。見ていてとにかくしんどかった。
継母が死産した、後あみ子が気を利かせて「弟の墓」という墓標を作った。あの年頃の子なら「金魚の墓」と同じ気持ちでやりそうだと思ったけど、直前に「お母さんのお祝いなんよ」と言っている。これは前に『母親の書道教室再開の「お祝い」として、兄があみ子に「何かあげんさい」』と言っていたのを「死産のお祝いをしてあげなさい」と捉えて作ったものだのだ。そこから家庭が崩壊していく様子が本当に見ていられない。おにいちゃんはグレてもあみ子のことを想っていて、やさしかったな。
最終的にあみ子は厄介払い的に祖母の家に預けられます。ラスト、祖母の家の近くの海岸で、偉人のおばけ(故人)たちがボートに乗って「こっちへおいで」と手招きするシーン、あみ子がそちら側に行かず、手を振って別れを告げたのが映画オリジナルなのですが、この世に残ることを自分で選んだ姿がよかったです。
とにかく広島の言葉や風景が優しくて良かったのだけれど、対照的にあみ子を取り巻く環境がしんどくてつらかった。そろそろ、いわゆる「考えさせられる系映画」にほっこり系シンガーソングライターの曲をエンディングに使うのやめませんか…。


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I got (no) time to lose