狂気の沙汰も萌え次第

雑記ブログのはずが同人女の日記になりました。

字書き、字書きの友達がいない[2023/6/13(火)]

有給消化期間に入った。朝起きても会社に行くとルーティンは、肉体にマイナスのストレスをかけると同時にプラスのストレスもかけていたことを知る。会社に行くことで入るやる気スイッチもある。休みに入ったら小説を書いたり、ゲームをしたり、あれこれしたい! と思っていたが、全然そういうテンションにならない。何もやる気が起きず、このまま寝ていたい、ごろごろしていたいという堕落の感情が生まれる。時間が限られているからこそできることもある。思い立って無職にならなくてほんとうによかった…。

昼過ぎまでYoutubeを見るなど怠惰な時間をすごしてから身支度をして渋谷のライオンへ。小説の続き。2か月ほど感覚が空いてしまったが、意外と書ける。去年の断絶の経験があるので、たいしたことではないと思えた。1500文字程度しか進まなかったが、これでよしとする。前に進めただけいい。今月中に書き上げたいが、無理そうな予感がしている。(やれ! Do it)タスクを残していてもいいことは無いし、鉄は熱いうちに打ちたい。早めの夕食を中目黒の三宝亭で食べる。全とろ麻婆麺!!会いたかったよ。新潟で食べた時より上品な味、盛り付けになっていた気がする。おいしい。おなかもふくれたところで徒歩で代官山へ移動。

代官山蔦屋書店で開催される千葉雅也・羽田圭介トークショーへ。講演会場はSHARE LOUNGEの一角を貸し切って行われた。ゆとりと規律のバランスがいい和やかな会場だった。
小説は身体性・欲望と結びついているので、AIが書いたものには欲望の部分がないので、直感的な違和感に人間は気づいてしまうのではないかという話をしていてなるほどなぁと思った。今回のトークは身体性、欲望、見せ方がキーワードかなと思った。自分もこういう点を意識して小説を書いていきたい。会場を見渡すと、メモを取りながら聞いている人が多かった。「エレクトリック」は三人称で書かれていて(前作、前々作は一人称)それについてのお話も聞けて良かった。

それにしても、千葉雅也さんと羽田圭介さんは勉強の哲学で一度話をされていて、羽田さんのYouTubeで千葉さんの前著「オーバーヒート」の書評を語っていたりと、かなり仲良さげな感じ。既知の仲の、かつ小説を書く者同士の、共通言語が既にそこにあり、ドライブをするような雰囲気でトークは進んでいく。純粋に羨ましかった。わたしも小説論とか字書きの人と語ってみたい~…。多分きっと、そんな未来には到達できないような気がする。こういう風に考えている時点で駄目なんだろうな、と思う。希望を捨ててはいけない。

講演後、サインをもらう。憧れの作家を目の前にするとやはり緊張する。が、意を決して「今日はありがとうございました」と話しかける。「最新作面白かったです。私はオーバーヒートから千葉さんに入ったんですけど…(哲学書も面白くて、自分なりに勉強していますという旨を話す)」と続けたが、そもそも「~から入る」ってかなりオタク的表現では!?と後から気づいてへこむ。オタクムーブをかましたくない…そして、なんでこういう時に自分の話をしてしまうんだろう…という自己嫌悪に陥いる。「作品を受けた私」ではなく「作品」の話をするべきだ。千葉さん、優しい人でよかった。こういう自己嫌悪も一種のナルシズムなのかもしれない。
その場で羽田圭介「滅私」を購入し、サインをもらう。本名の画数が多く困らせたりしたが、お話が出来てよかった。

代官山から渋谷まで歩いて帰る。夏の前特有の涼しく湿った夜がよかった。



見た映画

怪物(2023年、是枝裕和監督、坂元裕二脚本)

暗い丘からビル火災を眺める少年。そんなカットから映画が始まる。シングルマザー・麦野早織(演:安藤サクラ)の一人息子・湊(演・黒川想也)の様子がおかしいことに気づき、いじめを疑う。学校に相談に行くが、校長をはじめとした教員たちはいじめを認めようとしない。その間にも息子の様子はどんどんおかしくなり…というあらすじ。

〜ここからネタバレ〜

この映画は母・沙織、湊の担任・保利、湊の3人から語られる。そのため、観客は「真実」を探りながら見ることになる。いわゆる「羅生門形式」の映画。
母の視点で見ると、暖簾に腕押しの学校の態度にイライラくるし、保利(演・永山瑛太)のヘラヘラした態度に怒りを通して呆れの感情を覚える。しかしその態度には実は理由があり…ということが保利の視点から語られる。保利の視点から見ると理不尽で身を固められてしんどいだろうなと思う。
保利ははじめ、本当に気持ちが悪い男性教師にしか見えないが、物語が進んでいくうちに爽やかな若手教師に見えてくる。誰が一番悪いって、校長? と思うが、湊の視点から事件を見ると、校長にもちょっといいところがあるじゃん、と思えてくるから怖い。とはいえ、校長をはじめとする学校の体質には吐き気を催す邪悪を感じる。しかし、昨今のいじめ問題をみるとこういった「ことなかれ主義」をベースとしたやりとりは、割と当たり前に行われているのかもしれない…つらい。セクシュアリティやDVなど、センシティブな問題にも触れていく。映画のラスト、二人の少年が嵐のあとの山野を駆けていく姿を見て(真実は藪の中…)と思う。映画が終わった後、いろんな「なぜ?」が自分の中で渦巻いていた。
あとはなんとなく、「でっちあげ」(福田ますみ:原案、田近康平:漫画)を思い出した。



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FF16たのしみ! たのしみ!

FF16発売を前にFF15を遊びなおしていますが、プレイしはじめると3時間くらい経っているので怖いです。