週の半ばに日記本の再販分が印刷所から届いた。表紙の印刷方式を「高彩度」のものに変えたら全体的に明るく（白っぽく）印刷された。個人的に初版の色味の方が好きだが、これはこれで綺麗だった。多めに刷ったので、秋の文フリに持ち込む予定。
朝、ブログを書いたが結局公開することなく下書きに保存する。何となく今じゃないかなと思った。そのまま外出の支度をするが、家を出る際に帽子がないことに気づく。鞄の中にもないし、家じゅうを探してもどこにもない。置き忘れたか、どこかに落としたか。確かめるにしても週明けまで待たなければならず分かりやすくへこむ。普段忘れものや無くしものをしないタイプなので尚更だった。退職にあたり、いつもと違うテンションで過ごしていたのが原因かもしれない。最悪買いなおすこともできるが、できれば見つけ出してこれからも使っていきたい。
ほかの帽子をかぶって歯科矯正専門のクリニックへ。ずっとやりたいと思っていた歯科矯正をすべく、精密検査を受ける。通常の歯医者のレントゲンと違い、いろんな角度から歯並びの写真を撮ったり、精密なレントゲンを撮ったりした。色んな人から治すほどではないと言われたが、個人的に歯並びとかみ合わせが気になっていて、特にかみ合わせは将来的な歯の健康にもかかわるから踏ん切りがついた今、直しておきたいと思った。検査の最後、費用や通院について質問したが、クリニックを出てから「そもそも自分の歯並びはどれくらい酷くて、治すべきレベルなのか」ということを聞くのを忘れたことに気づく。精密検査の結果を聞きに行ったときに聞こう。
東京純豆腐で遅めの昼ご飯を食べる。この日は地味に蒸し暑い日だったので、辛い物を食べて汗をかきたかった。豚肉と野菜が入った熱々の純豆腐が美味しかった。
そのまま吉祥寺美術館へ行く。浜口陽三のシルクスクリーンの展示が良かった。シルクスクリーンの工程が実物の版と共に順番を追って説明してありとても分かりやすかった。仕組みは知っていたが、実際に見るとこんなふうに色が重なって視覚的な奥行きが出るんだと思った。
そのほか用事を済ませてから、たまたま通りがかったキリンシティで軽くお酒を飲んだ。暑い日のハートランドは最高！！あっという間に飲み干してしまい、大きいサイズを頼めばよかったと思う。一緒に頼んだソーセージ、ザワークラウトが美味しい。酒でしか解消できないストレスがこの世にはある。
夕方一旦家に帰ってお風呂に入ってから池袋へ。新文芸坐の「#北野武 バイオレント・サタデーナイト 2023」へ。アウトレイジシリーズ以外の北野作品を映画館で見るのが初めて＆映画のオールナイト上映に行くのは初めてだったのでかなり楽しみにしていた。が、徹夜が苦手な人間なので起きていられるか不安でもあった。そのため寝てしまってもそこまで迷惑にならない＆トイレに行きやすそうという理由で、片方の隣に人がいない端の席を選んだ。チケットを取ったタイミングで既に前方しか残っておらず、自動的に前方席になった。劇場に入ってから分かったが、新文芸坐はスクリーンと最前列との距離がかなり近かった。そのため少し辛い視聴体勢を取らざるを得ず、かつほぼ真横から見るような角度だったのっでスクリーンが若干歪んで見えた。でも、それもいい思い出だなと思えるほどいい上映会だった。寝ることも、上映中トイレに行くこともなく完走した。
今回は『その男、凶暴につき』『３－４Ｘ１０月』『ソナチネ』の３本立てで、すべて35ｍｍフィルムでの上映だった。投影が始まると、フィルム特有の画面のちらつき、ノイズ、揺れがあり、それだけでテンションが上がる。その興奮は古いレコードを聴いたときの高揚に似ていた。３－４Ｘ１０月は初見だったがかなり面白かった。北野映画に「真顔、真正面、沈黙、省略」の表現が多く使われ、シリアスな暴力シーンがコミカルに見えてくるところが本当に面白い。ところどころ笑いも起きていた。この空間、北野武作品が好きな人ばっかりで構成されてるんだ…！と嬉しくなる。
CABINの自販機や昔のコカ・コーラの自販機、昔のSKILINE、昔のゴツいパトカー、喫茶店、ごっついガラスの灰皿、スクリーンに映るすべてのものが昭和。その男～に出ててくる「１万円貸してくんねーか」という台詞も、今の貨幣価値とは違うから（日銀の物価指数を参考にすると公開当時の1万円＝現在の1.17万円）もうそれだけで趣があるなと思う。
作品と作品の間に25分ほどの休憩時間が設けられ、『その男、凶暴につき』上映前はその男～の劇伴が流れ、『３－４Ｘ１０月』の前には「ハード・レインで愛はズブヌレ｣などのビートたけしの楽曲が、『ソナチネ』上映前には久石譲作曲のソナチネのメインテーマが流れていた。細かいところまで凝っている。
朝５時に上映会は終了。外に出ると既に明るくなっており、朝ご飯に富士そばを食べて空いてる電車に乗り、帰宅。車窓から見えるは景色は暗いのに明るい雨雲に覆われた東京で、その景色がいいなと思いながら「ハード・レインで愛はズブヌレ｣を聞いた。
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