狂気の沙汰も萌え次第

雑記ブログのはずが同人女の日記になりました。

渦の中と書いて渦中[2023/6/4(土)]

夜から早朝にかけて関東上空を台風が過ぎ去った。むしむしして暑い。一方で心は嵐の前の静けさだった。最近色々あくせく動いていたがそれも落ち着いて、3月に1万字ほど書いたままで放置している小説があることに気づき、続きを書き始めた。これを書いていた頃は内定の「な」の字もなかったんだなぁ、と思うと、ここ2か月で人生の階段を駆け上がった感がすごい。

最近はとにかく家を綺麗に保つことに心血を注いでいます。何故かと言うと、部屋の乱れと心の乱れは直結しているからです。綺麗に保つことで心の平穏を保つことを図っています(結果からの演繹)。内定ブルーなのか、新しい職場でやっていけるか、仕事についていけるのか、生活リズムの変化に対応できるか、色々考える。まぁ考えたところで解決しない問題なので考えるのはやめたい。そもそも、条件(職務、通勤、勤務体系、休日、給与)で少しでも不安に思うような仕事を選ぶなという話ではあるんですが、家を探す際「立地・賃料・設備が100%理想の物件」に出会うのがほぼ不可能なように、どこかで妥協しないといけない部分もあると思う。仮に私には荷が重い仕事だったとしても、それは雇用者が「こいつ(私)になら任せてもいい」と判断した結果なので、気楽に構える。どうなるかは、神のみぞ知る。

モヤモヤを払拭するように、朝起きてすぐ、無心でひたすら掃除をする。ひとしきり掃除するとじんわり汗をかいた。お腹が空いたのでそのまま昼ごはん。特に食べたいものが思い浮かばない。そういえば去年の今頃何食べてたっけ? と思い返すと、早すぎる夏バテで冷しゃぶサラダと豆腐麺のツナトマトそうめんばかり食べていた。体重計には乗ってないので数値的な変化は分からないが、体感では結構痩せた記憶がある。冷蔵庫にあるものでツナサラダを作り、稲庭うどんを茹でて食べた。冷たい麺の美味しい季節になってきました。
ツナ水煮缶・ライトオイル缶、鯖缶、紙パックのプロテイン、ボトルコーヒーをまとめ買いしたら買う手間・残数の管理をしなくてよくなり、かなり楽になった。これらのアイテムはほぼ毎日消費するものなので、定期便を使うとスーパーで買う値段とほとんど変わらない(アイテムによってはAmazonの方が安い)ので良い。

食後は今村夏子「こちらあみ子」を読む。この本には「花束みたいな恋をした」で話題に上がる「ピクニック」が収録されている。基本的に本は冒頭から順番に読むタイプだが、今回はピクニックから読んだ。ちょうど読み終わったところで強烈な眠気が。そのまま目を閉じる。意識が戻った時には辺りは暗くなっていた。4時間も昼寝をしてしまった。しかも悪夢のおまけつき……時間を無駄にしてしまった感が半端ない。起きてすぐポカリを飲み、急いでプールへ。40分程連続で泳ぐ。外が暑かったので、温水プールの水が温く感じた。連続で泳ぐコースに人が多く、気のせいかもしれないけれど、大きな流れができているような感じがした。その流れに乗って無心で泳ぐ。夕食はプロテインと食パンとトマト。風呂上がりに入念なストレッチをして、小説の続きを書いてから寝た。

読んだ本

今村夏子「星の子」

主人公のちーちゃんは未熟児で生まれる。生後半年を過ぎたころから全身が謎の発疹に覆われ、かゆみに連日泣いていた。両親はちーちゃんを医者に見せ、あらゆる民間療法を試したが、一向に良くなる兆しはない。ある日、父親が同僚から貰った「金星のめぐみ」でちーちゃんの体を拭くと、発疹がみるみる引いていき、両親は「金星のめぐみ」を売り出している団体にのめり込んでいく、というあらすじ。
両親はすごくちーちゃんのことを心配している。そしてすごくやさしい。その愛情に嘘はない。だからこそお姉ちゃんが家出しても、家がどんどん貧乏になっても(親は一日一食に切り詰め、ちーちゃんは法事のお弁当で大喜びするほど、経済状況は悪い)、宗教の事で南先生や周囲に嫌なことを言われても(授業中に先生の似顔絵を描き続けるちーちゃんも大概だが)、親のことを嫌いになりきれないのがつらい。そして学校の友達も、教会で会う友達も基本的にみんな善人で、差と言えば「星の子」を読んでいるかどうかくらいだろう。だからこそ「信仰」ってなんなのだろうと思う。最後のシーンで、3人で星を眺めているのに、いつまでたっても3人同時に流れ星を見ることが出来ないあたりが、未来を予言するようで悲しかった。

朝井リョウ「武道館」

新人アイドルグループに所属する高校生・愛子が主人公。「恋か、アイドルか」という割と普遍的なテーマであるが、炎上やネット社会、メンバー同士の意識の差を絡めた描き方がよかった。武道館=アーティストの聖地となっているが、本来は「武道」をするために作られた施設なんだよなぁ…と気づかされた。
ある一言がきっかけで物語を見る視点が180度ひっくり返るのがすごい。朝井リョウ先生はどうやって話をつくっているんだろうとインタビュー記事を読むと、みっちりプロットを作るそう。納得…。そして「fruit=fruit」というJuice=Juiceをもじったアイドルグループや、研修生制度が出てくる。ハロヲタ、ないしはアイドルオタクがニコッ…となるね。


見た映画

星の子(2020年、大森立嗣監督)

原作を読んだ後すぐにアマプラで映画を見た。ストーリーの改変がなく(尺的に省かれた部分はあったが)ほぼ原作通りに描かれていて感動した。そしてキャスティングがすごくいい…作中で「東洋版エドワード・ファーロング」と呼ばれた南先生は岡田将生しかありえないし、高倉健吾と黒木華のスピ幹部カップル感といったらなかった。そして何より芦田愛菜さんの演技がすごい。林家両親のちょっと頼りなさげな感じも最高だった。「コーヒーは力を弱めるから禁止」というオリジナル要素も、おじさんとの確執が深いものとして描かれるいい材料になっていると思えた。「バザーで買ってきたおそろいの緑色のジャージ」を着る両親、マジで河童にしか見えないな…。林家が信仰している宗教は幸福のナンチャラとかナントカ教会みたいな絶対的教祖がいないスピ系の団体のため、視聴者側は強烈な嫌悪感や悲壮感を抱かないのが唯一の救いであり、怖さでもある。


ナット・オーケー!(2022年、アメリカ、クイン・シェパード監督)

ディズニー+でのみ配信されている作品。アトロクでおすすめされていたので見た。SNSに「フランスで行われるライター合宿に参加する」と嘘の投稿をしたアメリカの女性が主人公。滞在中だとされていたフランスで、突然大規模なテロ事件が発生。女性は「テロ被害者」として一躍有名になる。そして彼女は世間を欺き続け、最終的にはバレるというストーリー。
「ライターになりたい」「気になる人の気を引きたい」という気持ちから彼女は嘘をつき続けることになるが、一億総発信者時代の今、一歩間違えれば誰だってこうなる可能性はあるよな、と思う。自分含めて。共感性周知のようなものをずっと感じてしんどかった。誠実に正直に生きよう。正直は一生の宝…
ちなみにこの映画は「不快な女性の描写があります。視聴にはご注意を」という注意喚起から始まる。彼女ほどでもないにしても、こんな風に偽った投稿をしている人はたくさんいる。つまりめちゃくちゃ皮肉。




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消したいほどの黒歴史もあって あなたはどんなこと言うかな
そんなことくらい俺もあるよなんて 笑い飛ばしてください


あとは映画館で怪物を観ました!面白かったです!後日感想を書きたいと思います。この日記を読んだ人は四の五の言わずに映画館へ行こう。