狂気の沙汰も萌え次第

雑記ブログのはずが同人女の日記になりました。

ゆとりとだらしなさ[2023/3/19(日)]

二度寝して10時に起床。今日の予定は全く決まってない。このままダラダラ過ごすと夕方罪悪感コースだな…と思う。何も予定がない日曜日は家に引きこもっていて本を読んだりしているうちに夕方になってしまうケースが多い。少なくとも本を読んだのだから無為ではなかったはずなのに、場所の移動と肉体の疲労が伴わないとなんとなく無為に過ごしてしまったと思ってしまう。ある日、夕食を調達がてら徒歩で10分のマクドナルドにまで散歩に出た。夜になりきらない紫色の空とながめながら夕方の商店街を歩くと、なんとなく満たされた気分になった。ドラッグストアに入って歯ブラシを買ったり、荒物屋の店先で投げ売りされてる皿を眺めたりする、こういう予定外の行動が嬉しい。日曜の夕方に無為に過ごした罪悪感に苛まれたときは散歩すると良い。というか、そもそも罪悪感を抱く必要はない。

ラジオ体操をしたあとカフェオレを飲みながら日記本の作業。初期の頃(2020~21年)の文章を読んで苦笑する。思想もメタメタというか、端的に言ってひどすぎる…読書によって文章と思想が矯正されていくのを観察するのは面白かった。現状の文章によって俯瞰し、実践を繰り返すうちにだんだん人間に近づいている…ような気がする。1時間ほどしたところで朝兼昼ご飯に目玉焼き丼を食べ、身支度をする。大した準備じゃないのに、だらだら1時間ほどかかってしまう。切羽詰まってないので別にいのだが。

個人の喫茶店で1時間ほど作業したあと、西荻フェンネルで早めの夕食。ドライカレーとポークビンダルーで迷ってポークビンダルーにした。汁気と塊の肉を欲していた。これが大当たりで、酸味と辛さのバランスがとてもよく白いご飯によく合う!脂身を丁寧に処理した肉もホロホロ・ジューシーだった。絶対また食べたい…西荻の道を歩いていると、あちこちで桜が咲き始めていた。歩いている人が足を止めて桜を見上げている景色がよかった。良さげなワイン屋さんと古本屋さんとお菓子屋さんを見つけた。今度じっくり買い物をしたい。いつも出掛ける日は予定を詰め込んでしまって、なんだかんだでほしいものを欲しいタイミングで買えない。持ち物が増えるのが嫌なんだよね…

新宿へ移動し、エシレで缶入りのクッキーを買う予定をしていたが既に本日分は売り切れだった。似たところで手を打つか…と資生堂パーラーでビスキュイを買う。普段、高級なお菓子を自分に買ったりしないのだが、そこそこの大きさの缶が必要になり、それにかこつけて買ったのだった。中身は一人で大事に食べる予定。
伊勢丹を出てすぐピカデリーへ向かいシン・仮面ライダーを見る。今日はこのために外出のスケジュールを組んだ。一日の最後に映画を入れると一日が上手くいくような気がする。外食で辛いカレーを食べると高確率で眠くなってしまうのだが、今日は大丈夫だった。隣の席の人が映画前上映に「この映画3年待ってた。ドキドキする」と言ってて(分かる…)と心の中で相槌を打った。シン・エヴァもシン・ウルトラマンの時も思ったけど、コロナや病気やいろんな事情で劇場で見られないファンもいるんだろうなと思うと切ない。不幸に対するカウンターとしての感謝みたいであまり好きな言葉ではないんだが、何年も待っていた作品を見る日は「今日まで生きてきてよかった」と純粋に思う。

鑑賞後すぐ帰る予定だったが、映画の余韻に浸りたかったので喫茶店に入ることにする。喫茶西武がいっぱいだったので喫茶タイムスに移動してアイスカフェオレを飲む。入口すぐに年季の入った新聞棚が置いてあり、店全体が煙草の煙で充満している。明らかに最近の「レトロブーム」と一線を画している。最近の、人工的というか作為的なレトロに自分は割と懐疑的で、かといって常連だけで構成されているような店のレトロも近寄りがたい。この店はふらっと入りやすく、客層も新旧入り混じった感じが良かった。銅板のような金属に、花や草が彫り込まれたものがテーブルの天板に使われていて洒落ていた。かつての日本人のパーソナルスペースの狭さが反映されたような客席の配置で、はじめは少し抵抗感があったがすぐ慣れた。ここには書かないが面白い話も聞くことができた)。
最近、作業だなんだと理由をつけてカフェで小金を使ってしまうことに若干の勿体なさとだらしなさを感じていたのだが、今日ばかりじゃいいんじゃないの、という気分で家路についた。これも一種の生活のゆとりなのかもしれない。とはいえ、この調子ではお金が無くなってしまうので気を引き締めたい。


見た映画

シン・仮面ライダー(2023年、庵野秀明

私は平成仮面ライダー(アマゾンズ含む)ばかり見ていたため、1号2号の事情を全く知らない状態で鑑賞。正直シン・ウルトラマンよりわからない…本郷は人類や世界を守るのではなく、緑川教授の残した緑川ルリ子を守ろうとしていた。今までのシン・シリーズと比べ、ものすごく私的な理由、私的な対象。だからこそ、シン・ゴジラの矢口&カヨコのような共闘関係や、シン・ウルトラマンの神永&浅見のバディともちがった、信頼という愛情が描かれていたように思う。
そして、終始執着が描かれていた。同胞だったルリ子に戻ってきてほしいハチオーグのヒロミは「彼女が絶望し、泣き崩れる姿を見たい」と言っていたし(捕獲は上司命令だったとはいえ)、本郷たちを奇襲したK・K(カマキリ・カメレオン)オーグは「クモ先輩の敵!」と終始復讐に燃えていた。そしてルリ子の兄・イチローも「これ以上大切な人を失いたくない」という理由でルリ子に執着していた。「世界を滅ぼす」とか、そういうおおきな目標ではなく、全員がごく個人的な、人を守りたい、愛したい感情をもとに行動していた。
それを振り返るとキャッチコピーの「変わるモノ。変わらないモノ。そして、変えたくないモノ。」はすごくいいコピーだなと思う。同じ人でも信条は変わる。でも根底にあるものは変わらない。他人との差異が生まれると人はその差異を埋めたくなり、時にそれは紛争となる。緑川イチローは他人を自分側へ変化させることで差異を埋めようとし、本郷は変化に自分を合わせることで差異を埋めようとした。文字だけ見れば一見利害の一致のように見えるが、信念とするところが違っているため今回のような結果を生んだんだと思う。

感情を抑えた演技が庵野秀明監督の持つ様式美と重なって、いい効果を生んでいたと思う。ヘルメットの着脱は省略されることなくカメラに収められていた。ライダー/人の暴力性の切り替えと本郷の同一性を描きたかったように思われる。そしてとにかく浜辺美波の目の演技が最高だった!シンプルなボブヘア、黒いタートルネックにコートを羽織る姿がなんとなく綾波を彷彿とさせる。あとはハチオーグの西野七瀬ちゃんがめちゃくちゃかわいかった…ハチのメットが女性的で、ツインテが出てなくても女性なんだと分かるデザイン。そしてなんといっても仮面ライダー2号柄本佑の熱い演技といったら…森山未來の静かで重みのある所作が美しかった。

シン・ウルトラマンは脚本上仕方ないとはいえ、安全用品・保護具未着用で戦場に飛び出していくのが本当に(えぇ…)と思ってしまってなかなか再鑑賞できていない。メフィラス星人と割り勘するシーンは見たい。

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春の夜にフィッシュマンズを聞きながら散歩すると気持ちがいいですよ。あちこちで桜が咲き始めていて綺麗でした。

ゴルフのグローブを買ったので、今週は打ちっぱなしに行きたい!