狂気の沙汰も萌え次第

雑記ブログのはずが同人女の日記になりました。

GWは午睡のウィーク[2023/5/10(水)]

連休の時間はゆるやかに流れていた。とある試みのため基本引きこもっていたのだが(これについては後日書きます)それが功を奏した。日中は主に文フリで出すZINEの編集作業を行い、午睡ののち、夜は本を読んだりゲームをしたりして過ごした。ZINEについては3月謎に焦りがあったが、Excel進捗管理表を作ると安心して作業できた。今回入稿の4日前まで表紙がノータッチだったが、手を付け始めるとあっという間に完成した。「目は臆病、手は鬼」とはこのこと。

ということで5/21は文学フリマ東京36に新刊を携えて参加します。

日時:5月21日(日)
場所:東京流通センター(TRC)
サークル:第一展示場【W-05】おだやか町金融
頒布物:日記本『罪悪感にさいなまれた日曜日の夕方は散歩に出るとよい』(B6/200P/1000円予定)
※このブログを大幅改稿して本にしました。詳細は追って記載します。チェケラゥ!

200Pくらいで収めたいなーと思いながら編集したら200Pに収まったので良かったです。文フリは楽しいイベントなのでおすすめです。川崎のスペースにもよかったら遊びに来てくださいね。

5/21追記
好評につき通販します。
通販→ https://dec-kawasaki.booth.pm/items/4792806
(会場分完売のため、予約注文となります)

読んだ本

朝井リョウ「正欲」

「公園で小児性愛者の「パーティ」が行われた」という事件の概要に始まり、不登校の息子を持つ横浜在住の男性検事、寝具店に勤める独身女性、ダイバーシティを理想に掲げる学祭実行委員の女子大生の3人の視点で物語がスタートする。そして視点の切り替えごとに書かれているのは「2019年5月1日まであと〇日」のカウントダウン。年齢も、立場も、住んでいる場所も全く違う3人の登場に、この後どう物語が進んでいくのか見当もつかなかったが、後半「そう来るか!」という「繋がり」が出来ていく。
多様性という耳障りのいい言葉には、マジョリティ側の「想像が及ぶ範囲の、こちらに危害を与えない少数派であれば居場所を与えてやる」的な薄ら寒さを感じていたが、この小説ではまさにその薄ら寒さと決定的な断絶について書かれていた。李琴峰『透明な膜を隔てながら』でマジョリティは「多様性を唱えながらその真の意味について深く考えることなく、自分の想像力の外側にある事物を無邪気に排除する人」という表現がなされていたが、まさにそんなかんじの人が検事の寺井啓喜や大学生の神戸八重子なのかもしれないと思った。(もっとも、その二人もそれぞれ事情を抱えているが)
寝具店に勤める夏子は「水に興奮する」という性的嗜好を持っていた。「水に濡れた人間」ではなく。水が流れたり、噴射したり、弾けたり、変化する水そのものに興奮を覚えるという特殊性癖だった。そして同級生である佐々木も同じ嗜好を持っていた。夏子と佐々木が再開し、大晦日に心中を図るシーンにゾクゾクした。読み進めながら、序文は誰の視点で書かれたのだろう? とずっと考えていたので一気に引き込まれる。酔って川に飛び込み、亡くなった同級生を内心嘲笑するシーンにゾクっとする。
夏子と佐々木は繋がることでこの世界で生き延びることに成功したのだが、その輪を広げ、同じ欲求を持つ人との互助を図ろうとしたのが結果として失敗だった。「水に興奮する人々」の集まりなのに、その場に子供が居合わせたため「小児性愛者」のレッテルを貼られてしまった。「水に興奮する」という性的嗜好は理解されず、正しい側から理解の及ぶ範囲で裁かれてしまうというオチだった。

全体的に世間のニューウェーブと呼ばれるものへの冷笑みたいなものを感じた。そして太宰を読んだ時のような「私がひそかに考えていたことが書かれている」と感じる体験が多くあった。神戸さんの理解あるムーブはきつかったけど、若かったらそんなもんだよな…と思いながら見ていた。対話を諦めない姿勢は素晴らしいけど、ほっといて欲しい側からしたらただただしんどい。大也の「どうしてそっちが受け入れる側なんだよ」はまさに「居場所を与えてやっている」への裏返し。ラストの「正欲」の回収具合には脱帽した。結局少数派は多数派から「居場所与えてやっている」に過ぎない。読後、読書メーターで感想を見ると「面白かったけど性欲の部分はよく分からない」といった感想が散見されて、まぁそんなもんだよな…まさに正欲…と思う。頼んでもないのに自分の話を開示して、相手にも同程度の開示を求める。拒絶されると怒り出すっていうのもあるよなぁと思うし、自分もたまにやってしまうことがあるので気を付けたい…。

見た映画

劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』

今回の標的は鈴木財閥が出資した施設や物品…じゃない! よかった…鈴木財閥の資産が失われずに済んで…。
八丈島へホエールウォッチングに来た一行(毛利家+少年探偵団+園子、博士)。島のすぐにはインターポールの海洋施設「パシフィック・ブイ」が建設されていた。なんやかんやあってパシフィック・ブイに入ったところで女性エンジニアが誘拐されるという事件が発生。そして一連の流れに黒の組織が絡んでいることを知る。「シェリー(宮野志保)=灰原哀」だと疑う黒の組織から灰原を守れるのか? というあらすじ。
最近の映画で情報担当(後方援護)に撤していた哀ちゃんがついにヒロインポジションに。戦友のような二人の絆、「守り・守られ」の関係性がとてもよかったです。今回の映画は特に女性キャラクターが活躍していました。MVPはキール(水無怜奈)。映画冒頭ではユーロポールの女性を庇おうとし(失敗に終わってしまいましたが)、哀ちゃんの仕掛けた盗聴器(探偵バッジ)をわざと見逃し、逃走の手助けを行いました。ベルモットもかっこよかったです…恩は返すタイプなのね。直美・アルジェントが19歳で「若いな!?」と思ったけども、宮野志保ちゃんが18歳だから整合性を持たせるための若さなんですね。哀ちゃん、18歳であの貫禄…
黒の組織とのカーチェイスは黄色いビートルと黒いジープで、何となくカリオストロを連想させた。阿笠博士が「ぶつけてでも止めたるわい」と言っていたのがかっこよかった。そしてピンガ…かませ犬すぎんか?! 女性に扮していたときもコーンロウスタイルもかっこよかったけれども!

ディティールの話をします。前作から大野さんに代わり劇伴を担当している菅野祐悟さんの音楽が素晴らしかったです!!大野さんの劇伴も古き良きコナンという感じがして好きなのですが、菅野さんはオーケストレーションのアレンジも上手いし、テクノっぽいアレンジもすごくかっこよくて良かったです。劇場でメインテーマと「オレは高校生探偵、工藤新一」を聞くと「一年生きてきてよかったな!」と思います。真実はいつもひとつ!


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あ~~~佐々木さんの女になる…

有給消化中、小笠原に行くつもりをしていてそろそろ予約するか…と思い予約サイトを立ち上げたところ既にどこも満室だった。焦って小笠原海運に電話したところ、おがまるパック(船+食事つき宿のセット)の空室がラス1だった。あぶねえ…。トレッキングとシュノーケリングはぜってぇしたいぞ!ドン! そして星を見るのが何より楽しみです。