狂気の沙汰も萌え次第

雑記ブログのはずが同人女の日記になりました。字書きが高じて今の肩書は記者です。

天才の愛/愛の天才[2023/2/25(土)]

朝から風の強い日。自転車で美容室に行く。徒歩+電車だと30分かかる距離が自転車だと15分足らずで着いた。自転車で少し遠くに行くのが好きなので春先はいろんなところに行きたい。前回と同じ美容師さんにお願いしたら、ますます髪が可愛くなった。やった~。声のトーンが心地よくて、最後ヘアセットをするときも具体的に「こうすると綺麗にスタイリングできますよ」と教えてくれるところが好き。引っ越してから美容室ジプシーしていたけどやっと美容室が決まって嬉しい。

その足でブックマンションへ向かう。この日は宵山書房さんという森見登美彦作品が好きな店主さんがお店番をしていた。しばらく森見登美彦作品について語る。ひさびさに人と本の話ができてうれしい。森見作品は夜は短し歩けよ乙女四畳半神話大系、夜行、有頂天家族くらいしか読んだことがないのだが、どれも何回も読み返している程度には森見作品が好き。特に夜は短し〜は高校生の時に初めて読んで衝撃を受け、大学生の時分に京都に行った際は聖地巡礼なんかもした。店主さんおすすめの「恋文の技術」を買い、ほくほくした気持ちで店を出た。この日は曇りで風が強く、冬に逆戻りしたような日だったのだが、心はぽかぽかだった。その後、数件古本屋を回り、遅い昼食に喫茶店でカレーを食べ、吉祥寺プラザで映画・エゴイストを見る。とてもよかった…

映画館の向かいにあるエノテカに寄ってスパークリングワインを買って帰った。今日はいい陽だから。普通の日にシャンパンを買う胆力はない。なんとなくロゼの気分で(映画の雰囲気もラブラブだったし)カ・ディ・ライオ スプマンテ・ロゼ ブリュットというイタリアのスパークリングワインを購入。家でキャベツのレンジ蒸しとセブンのもつ煮と一緒に飲んだ。辛口でスッキリした味わいでとても美味しかった。また買うと思う。


映画・エゴイストの感想

愛って、どう始まるかよりどう終わるか、なのかもしれないと思った。そしてこの物語で描かれる愛は底がなく、終わりもなかった。
ファッション誌の編集者として働く浩輔とパーソナルトレーナーの龍太が出会うシーンから始まる。浩輔は多分ガチガチのオネエなのではなくて、3丁目で仲間と語り合う時のツールとしてのオネエなのかもしれない、と思った。オネエという触媒がコミュニケーションを円滑にする。3丁目でも、仕事でも、その他のプライベートの場でもその場にあった振る舞いをするのが得意なキャラクターなのかもしれない、という浩輔の第一印象。これはコミュニケーションを諦めない、ちょっと無理をしてでも周りを立てて自分を生かす生き様のあらわれなのかもしれない。だから龍太に「お母さんにお土産」と言ってお高いお寿司も渡すし、服もあげるし、お金もあげる。人のためだけれど、それは全て自分のためだった。
浩輔はずっとコミュニケーションを諦めなかった。やり方はどうであれ、まっすぐ向き合う姿はずっと誠実だった。龍太が「生活のためにずっとウリをやってて、浩輔と出会ってからウリをするのが辛くなった。でもウリをしないと母親と暮らせないので会うのをやめたい」とはぐらかさずに事実を伝えたのも浩輔が誠実だったからだと思う。普通そんなこと恋人に言えるか?言えないよ…

そして浩輔が龍太専属の客になるというテイで2人は金を介在した恋愛関係になる。金銭が介在した関係は大抵ビジネスライクなものになりがちたが、2人の場合は別で、さらに愛は深くなっていった。そして龍太の母親とも仲良くなり、龍太が亡くなってからも母親との絆は残り続ける。浩輔は自分の母親を14歳で亡くしてるから、尚更母親のあたたかさが恋しかったのかもしれないし、龍太との幸せな時間を無かったことにしたくなかったのかもしれない。母親の生活費を援助させて欲しいと食い下がらなかったのは本人が言っていた通り「わがまま」で、ただのエゴイストだった(実際、浩輔の首も回らなくなっていたわけだし)。
善意は人を傷つける可能性がある。でも本人が心から望むのであれば、コミュニケーションを取り続けるのもアリなんじゃないかと、この映画を見て思った。金が介在する関係にも希望はあるし、外から見たら好もしいことではないけれど、迷惑かどうか受け入れる側に委ねられる。何でもそうだけれど、言葉にしなくちゃ伝わらない、分からない。コミュニケーションを諦めるとそこで関係は終わってしまう。自己開示の勇気が龍太と母親、そして浩輔の関係性を繋いだんだと思う。全て話すことが誠実ではないが、この話はだいたいがいい方に働いた例なんじゃないかと思う。龍太は亡くなってしまったが、「誠実に生きた」ことが登場人物全員の救いになって欲しいと思った。

ディテールの話をすると色彩がシックで小物や照明にも繊細な配慮が感じられるいい映画でした。そしてとにかく鈴木亮平の恵体を鑑賞する時間が長くていい!!!!!筋肉!!!!!目線や指先の動きまで熱の入った完璧な演技でした。龍太が亡くなったあと、押し殺した泣きの演技で、嗚咽を堪えながらこめかみに血管が浮き出ている姿を見て鳥肌がたった。宮沢氷魚演じる龍太の懐っこい年下ワンコ感もたまらない…その懐っこさは天性のものなのか、ウリをやって行くうちに覚えたものなのか分からないのが切ないが、とにかく可愛いかったです。

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