狂気の沙汰も萌え次第

雑記ブログのはずが同人女の日記になりました。

ほんとは誰だっていつだって不安だよ

矢口高雄展、コミックシティ参加の日記です。

土曜日の日記

朝はそんなに寝坊しないで起きられた。今の家は本当に朝晩寒い。というか、前住んでいた所と外気温が2、3度は低い。直線距離ではそんなに離れていないのに、こうも違うのかと思う。エアコンだけではとても賄えないのでヒーター(風の出ない電熱線タイプ)を買おうと心に誓う。夜も寒すぎて本を読む手がかじかむレベル。

起きて朝ご飯にドーナツを食べる。2,3年ぶりにクリスピークリームドーナツを買った。チョコのコーティングの上にカラースプレーが乗ってるアメリカっぽいドーナツを食べたら少し元気が出た。モーニング娘。‘22生田衣梨奈さんが表紙のにわかせんぺいパレットで化粧をした。気分がさらに上がる。こういうご機嫌アップポイントを一日の中に組み込むのって大事かもしれない、と思いながら御茶ノ水へ。今日の目的地は明治大学現代マンガ図書館で行われている矢口高雄先生の展示だったが、向かってる途中で明治大学博物館の前を通った。時間もあったので寄る。いつか見たいと思っていた鉄の処女、石抱き等の拷問道具の実物や複製を見た。写真や絵などで見たことはあったが、間近で見ると迫力が違う。頭を出す穴のサイズなどを見ると、人間って意外に小さいんだなと思ったりした。隣接する阿久悠記念館も覗いてからマンガ図書館へ。

思ったより狭い展示室だったが、企画ブースに所狭しと原画が並んでいる。釣りキチ三平最終章の一平の葬儀に遅れて駆けつける魚紳さんと三平が対峙するシーンが大好きで、生で見られて本当に感激した。この感情の爆発の描き方は唯一無二だと思った。矢口先生は水彩のイラストが美しい。特に水と雪の表現が秀逸で、重さと冷たさがある。これは雪深い山里で生活していた人にしか描けない絵だと思った。リアルな背景にのびのびした動きの三平くんが乗ると一気に世界が躍動する。そういう漫画的な魅力があると思う。個人的に平成版釣りキチ三平のユリッペの鮎釣りの話が好きなのでその原画も見れてよかった。矢口先生の短編で好きなのは「ボクの先生は山と川」(「ボクの学校は山と川」の方かもしれない)に収録されていた「長持唄」です。切ない。久々に9で割れ!!も読みたい。


そのまま神保町へ歩く。イチョウが散っていて道が黄色にまぶしい。東京の冬っぽい、と思う。イチョウは東京の木だからか、都心の至る所にイチョウがある気がする。
書泉グランデを物色していると、村上春樹「猫を棄てる」の表紙を描いていたイラストレーター・高妍の本「緑の歌」を見つけたので買った。小休憩にぶらじるに行って一服。豆もついでに買う。たまにカフェオレやアイリッシュコーヒーとか飲んでみるか? と思いながらもいつもブレンドを頼んでしまう。次の目的地が電車では行きにくい場所だったのでタクシーを拾った。初乗りが500円になってて少し驚く。(後から調べると11月から値上げしたみたいだった)乗ったのが珍しく個人タクシーで、運転手さんが「昨日が今年一番の忙しさでしたよ。いよいよ年末ですねぇ」とタクシー業界の話を色々してくれた。いくつか質問してみたらそこそこ盛り上がった。乗車時間こそ短いが、少し気分が解れる。もちろん向こうは仕事で私はお客さんだから、気を遣われているのはわかるけど、みんなこういう感じにほがらかに会話できればいいのにと思う。


日曜日の日記

平日と変わらない時間に起き身支度をして、ビッグサイトへ。晴れているためそこまで寒さを感じない。国際展示場前に降り立った瞬間人の多さに驚く。ここ1年の中でいちばん即売会参加者の人数が多いんじゃないか? とこの時点で思った。会場に入るとその予想は当たって、サークル参加者だけでもかなりの人が集まっていて熱気があった。壁や一部の誕生日席では列も出来ている。いい意味で自分は有象無象なんだと思えて気が楽だった。
いい感じに新刊が捌けてイベントは無事終了…と思いきや、最後の最後でゴタゴタが発生。本当に疲れた。人間だからトラブルは仕方ないとはいえこちらもかなり気分が悪い。一度カタが尽きそうだった感情にケチがついて、今までされた嫌だったことを芋づる式に思い出して最悪な気分になった。心の中で岡本太郎の「好かれる奴ほど駄目になる」を呪文のように唱える。

友人と合流し、焼肉を食べた。肉もビールがうまかったが、疲弊しすぎておいしい以上の味の情報が得られなかった。いろんな部位の肉を食べたのに。悲しかった。でも美味しいって思えただけよかった。話を聞いてもらってももやもやイライラが収まらず(これはほんとにゴメン)、そのままシーシャに行った。暗い部屋でミント・シトラスの入った冷たいシーシャを吸い込むと大分気持ちも落ち着く。出来事を俯瞰してみることで冷静を取り戻そうとする。18時ごろ帰路につくと気温は5度で寒かった。最寄り駅につくとどっと疲れが出てくる。なんで趣味でこんなに疲れなきゃいけないんだ…と思いながら、じゃあ新人賞に送って仕事にしちゃおうかなとか思い始めた。

下を見て安心するのはよくないけど、同人関係のトラブルはもっとひどいパターンが沢山あるわけだし、それと比べればかなりマシだなと思うし(この程度で済んで良かった…)とも思う。この程度で済んで良かったと思うある種の諦念はは割と大事だと思っている。(村上春樹も遠い太鼓でそんなことを言っていた気がする)馴れ合いはしなくないけど界隈に味方がいないのは若干しんどい。ひとりぼっちにのみ込まれないここが踏ん張りどころね…ってコト!?自分がピンチになる度に、モーニング娘。の歌が頭ではなく心で分かるようになる。くぅ…
好きって言ったらありがとうじゃなく好きって言ってよ同じ温度で、と思っていた相手にこんな嫌悪感抱くとは思わなかったよ。好きの裏返しはやっぱり嫌いじゃん!って思う。別に相手が振り向いてくれなかったから嫌いになったとかではなく、原因はもっと別のところにあるのだが、それはまた時効が切れたときに…。

私は今まで完売させるのが嫌派だった。しかし、ある程度の部数が出てるのにもかかわらずあまりにも反応がないので、そんな奴らのために私ひとりが苦心することないな…と思いはじめている。本を書くのは楽しいけど、読者のことまではそれほど考えず、出したい数を出して終わりでいいやになりつつある。「当サークルはいつでもウエルカム…!」の姿勢から「あまりにも寂しい思いをさせ続けるのならどこか遠くに飛んでいってしまうよ」の姿勢になりつつある。界隈を遠巻きにしているので寂しさはないけれど、カプには愛着があるので微妙な気持ちになりつつある。なんなら私が界隈から去ることを後悔するんだな、くらいのことを思いつつある。「川崎さんはいいですよね」みたいなことを言われると、ひとりで生きられそうってそれってねぇ、褒めているの? 強がり隠す弱さ誰か見抜いてよ状態になる。
やっぱり、完売誉(ほまれ)派になろうかな。


平日の日記

マイナンバーカードの受け取りのため休暇を取った。朝起きて時間まで通販発送の準備をする。梱包が面倒で、次からはやっぱりとらを使おうと決心する。役所まで自転車をこぐと少し汗をかく。予約した時間の5分前くらいに会場に着くとそのままブースに案内された。本人確認と暗証番号の設定をし、10分かからずに受け取りが終了した。休日開庁を除き平日昼間しか受け取れないという最大のハードルさえ超えてしまえばマイナンバーカードの取得も楽なもんだなと思った。(休日開庁は予約を試みたが激戦すぎて早々に諦めた)
役所の食堂が開いていてご飯を食べて行こうかと思ったがそんなにお腹が空いていないのでパスした。公共施設の食堂で一番好きなのは国会図書館の図書館カレーで、行くたびに食べてしまう。とにかく牛丼部分がおいしい。初めて食べたのが大学生の頃だったから、長い間思い出補正かと思っていたが社会人になってから食べても美味しかったのでそうではないと気づく。

一度家に帰り、忘れないうちにwebでマイナポイントの申請してから荻窪に行く。平日昼間のバッティングセンターはのどかで、空が青かった。低速レーンが開いていなかったので中速でバッティング。球が当たった感触が少しだけ重い気がする。最初は慣れなかったが、だんだんヒットを打てるようになった。
その後、ねいろ屋でかき氷を食べた。腹具合的にラーメンは食べられないかな…と思っていたが、隣の席からラーメンのいい香りがして、やっぱり頼めばよかった、と思う。頼んだいちごミルクのかき氷はイチゴ果肉がごろっと入っていた。いちごソースはもちろんおいしいのだけど、何より美味しかったのがミルクソース部分だった。冬に食べるかき氷は美味しい。

そのままスーパー銭湯に行きサウナを3セット。強制的に自律神経をリセットする感じが気持ち悪くて気持ちいい。身体が冷えているせいなのか、水分が足りていないだけなのか(多分どっちも)なかなか汗が出なかった。食堂で酸辣湯麵。「普通」「辛い」「痛い」から辛さを選べたので「辛い」にしたが、辛いレベルでも痛かった。中本やニュータンタンメンとは違った系統の辛さで、デスソース系の辛さに似ていた。普通にすればよかったな…と思いながら完食する。その後休憩コーナーで昴-を読む。本当に面白くてローザンヌが終わる第一部完まで一気に読んだ。岩盤浴もする予定だったが時間も時間なのでそのまま家に帰る。近所で通販の発送をし、久々に布団の中でインターネットをしてから寝た。

読んだ本

曽田正人「昴」(第一部まで)

バレエ漫画の金字塔。昴のネコダンスの時点から曽田先生の表現力のすごさが分かる。しなやかな筋肉の動きや、バレリーナが立ってるときの独特の空気感が本物みたいに伝わってきた。
昴の肝の据わり方・覚悟がすごい。一方で真奈ちゃんの「私は幼稚園の頃からバレエをやってきた。負けるはずがない」とか、「お母さんをとられちゃう!」という気持ちも痛いほどわかる。私は凡人なので真奈ちゃんに感情移入して読んでしまった。「人を押しのけたり、傷付けたり、なんにせよ本当にやりたいことを貫くってのは痛みを伴うもんさ」という日比野のおばちゃんの言葉が良かった。天才タイプの主人公なのに、抱えてるものが重すぎるせいで全く俺TUEEE感が無い。私も「やっとバレエだけになったよ」状態になりたい。


積読
児玉雨子「誰にも奪われたくない」(文藝2022年春号)
・李琴美「透明な膜を隔てながら」
・鈴木 涼美「ギフテッド」
・町屋良平「ほんのこども」
宇宙兄弟6~9巻


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ほんとは誰だっていつだって不安だから、頑張るぞ!