狂気の沙汰も萌え次第

雑記ブログのはずが同人女の日記になりました。字書きが高じて今の肩書は記者です。

For beautiful human life[2024/5/5(日)]

そういえば今住んでいる地域に引っ越してきてからセールスや宗教、テレビやネットの勧誘が全然来ないことに気づいた。治安がいい地域に住むだけでこんな恩恵まで受けられるのかと思った。考えられるのは、地域全体で戸建てが多くデカいマンションが少ないせいで、勧誘の効率が悪いからかと思ったが、もしかしたら自治会の力が強いとかいろいろあるのかもしれない。ただ、チラシは増えた。そのうちチラシお断りステッカーを作って貼ろう。

高校、大学、社会人と人生のステージが上がっていくにつれて(あ、うちの親ってやっぱおかしいんだ)と思うことが多い。生まれはどうすることもできないし、今は自活できているので特に問題はないが、やっぱりまともな親で育った人やお金のある家に生まれた人へのコンプレックスは消えない。完璧な人間が存在しないように完璧な親が存在しないことは重々存じているが、限度ってものがあるよね。今までしてきた苦労はしなくていい苦労なんだよ…本当に…。ほぼ全ての社会システムが「まともな家庭に生まれた人向けの」システムで構成されていて、つくづく自分は運がいいだけだったなと思う。
なんだかんだでいちばんジェラシーを感じちゃうのは大学進学で東京に出られた人かもしれない。私は「女だから関東はダメ、東京はもっとダメ」という理由だけで地方国立大に進学せざるを得なかった。学力以外のところでままならないことがたくさんある。これに関しては、親だけが悪いのではなく、代々続いた家父長制的な教育が悪い。憎いんだよ!家父長制が!!!
最近エッセイの本を読むと「てめえは衣食住と教育費足りて暴力振るわない家で育ってるのにその程度のことで弱音吐くんか!?大層なご身分ですなあ!!!」みたいな感情しかわかなくなってしまった。涙のヒロイン降りる宣言をしたいところだが、辛い思いをした自分を受容しない限りこの感情は消えないのだと思う。



昨日は奥多摩に登山に行って、ほどよい肉体の疲労が残っている。ただ昨日はどうにも関節の調子が悪く、軽めの山行だったので、若干消化不良感があった。ただ、先週の月曜日と同じく何もしたくない。川苔山リトライに行っても良かったが早起きができず、遠出する元気もない。文フリに向けてポスター作成などやることはいくらでもあるけど何となく家にいたくない気分だったので現実逃避を兼ねて昼に外に出た。めんどくさいので化粧はキャンセル。
かなり日差しが強いので買ったばかりの日傘をさしたが、風が強くなかなか使い物にならない。雨の日なら風向き=雨が吹き込む向きなので全く問題ないが、日傘の場合太陽の方向と風向きは一致しないので、結構難儀する。さてどこに行くかは決めずにとりあえず電車に乗ってから「そういえば時間があるときにトキワ荘マンガミュージアムに行きたいんだった」と思い出し、大江戸線に乗って落合南長崎まで行く。落合南長崎には初めて来た。ミュージアム前着くと「今は満員ですが、30分後にお越しいただければご案内できます」とのことだったので、後で改めるとする。トキワ荘ミュージアム前はトキワ荘通りといって、関連施設がいくつかあるのでそこをまわっていればあっという間に時間になるという算段だった。200mほど離れたところに「トキワ荘通り昭和レトロ館」があって、そこが良かった。昭和30年代の池袋駅前の街並みのジオラマが常時展示されているのだが、その日はちょうど「ゲンガノミカタ展mini inとしま」という原画展が開催されており、釣りキチ三平銀牙Dr.コトー診療所双亡亭壊すべしなどの原画が展示してあったのだ!!! こんなことってある? もちろん舐めるように見ました。相変わらず矢口孝雄先生のカラー原画は美しい。
もうなんかこの時点で満足しそうだったが、トキワ荘マンガステーション、トキワ荘通りお休み処を覗いてからミュージアムへ。中はトキワ壮の四畳半の部屋を再現し、歴史や生活を開設していた。4畳半と聞くと狭いイメージを持つが、昔のちゃぶ台や棚が並ぶシンプルな部屋で、狭さは不思議と感じない。やはり目指すべきところはここか…実際はもっと生活用品や本が並んでいるはずだけど。
1階部分で特別企画展「鈴木伸一のアニメーションづくりは楽しい!!~トキワ荘からアニメの世界へ~」を見る。漫画ではなくアニメ分野で活躍した人がいたことを初めて知った。藤子先生らが鉄腕アトムの原画を描いたカットも展示されていた。面白かった。


南長崎から光が丘に移動。光が丘は戦時中は飛行場に、戦後は米軍施設として使用された土地が70年代に団地化したもので、大江戸線は91年に開通と比較的新しい団地だ。大江戸線の終点として地名は知っていたが、どんな街かはよく知らなかったのでせっかくだからと行ってみた。すべての道路が広く、区画が整然と整理されているので東京ではないような雰囲気。見渡しても見渡しても団地なので、ちょっとSF感があった。唯一建物が見えない方向は光が丘公園(巨大な都立公園)。駅前のショッピングセンター前には巨大な青空駐輪場があった。ローズガーデンとでバラの匂いを嗅いだ。ものすごくいい香りだった。よくある人工の「バラの香り」とは似ても似つかないほどいい香りだった。光が丘公園に行くとモンゴルのお祭りをしていて、祝日らしい雰囲気が漂っていた。振り返るとごみ焼却場の高い煙突が晴天を刺している。なんかこの光が丘の一連の光景をみていて、生活だ、と思った。同時にゆりかごから墓場まで、とも思った。団地には生活がある。

この際だからエイヤと池袋に移動し、献血ルームへ行った。最近いいことがあったので、徳の精算を兼ねて献血をした。待合室は混んでいたがスムーズに検査をパス。ベッドが空くまで待機したが、フードコートの呼び出しベルみたいなのを持たされるパターンは初めてだった。リストバンドの番号呼び出しより画期的かも。血を抜く段になって血流が悪く、手と体にたくさん毛布を掛けられておもしろかった。「手をぎゅっと握るとうまく採血できるのはなぜですか?」と看護師さんに聞くと「機械がポンプの力で血を吸引するが、力を入れると血管が膨張するので血を引きやすくなる」と教えてもらえた。そうなのか。自分の血が流れるチューブがあったかくて(抜きたての血があたたかいのは当たり前だが)ちょっと気持ち悪かった。

ちなみに400ml献血は女性の場合、年2回まで。成分献血だともっと頻繁に献血できるが、血管が細いせいが返血時に内出血してしまったり、クエン酸反応なのか寒気がしたり気持ち悪くなってしまったりするので、なかなかできずにいる。また今度チャレンジしてみようかな。

夜はオリジン弁当の豚汁、ブロッコリーとエビのサラダ。最近の定番がこの2つ。


読んだ本

千葉雅也『センスの哲学』

発売日に買って読んだが、まだ感想を書けていない芸術論の本。ものすごくいいことを言っているのだが、感想をまとめようとすると言葉にできない。とにかくいい本なので、読んでみてください。

影山智明『ゆっくり、いそげ』

西国分寺でカフェを営む著者の、経済学的理論を交えながら語る経営と運営の話。理論はわかるけど、なんか胡散臭いな、と読み進めていったら手仕事信仰系の人だと分かった。「まわりをいかす」も一歩間違えばやりがい搾取てきなことになりかねない。チェーン店やコンビニ、大量生産品にかなり懐疑的な視点を持っており「コンビニ弁当がおいしく感じないのは、味が悪いからでも、食材の産地のせいでもなく、作り手の顔が見えないから。娘がにぎったおにぎりならどんなに不格好でもおいしい」の記述には「うわ…」となった。仕入れ業者への支払いの一部に地域振興券を使うのもちょっと微妙だし…。でも今も西国分寺のカフェは続いているし、人気だからかなり成功していると思う。
章立てが雑で論理の飛躍が多く、文字起こしと執筆を担当したゴーストライターの腕があんまりよくないんじゃないかなと思った。

福井県立図書館『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』

息抜き本。図書館利用者がレファレンス(調べ物相談)コーナーで、借りたい本を探す際に実際にあった言い間違いや記憶違いの事例をリスト化して職員間で共有したのがきっかけでこの本ができた。人終始爆笑しながら読んだ。人の記憶の仕方ってユニークだなーと思った。村上春樹ねじまき鳥クロニクル』は私も「ねじまき島(じま)」だと思っていたので驚き。自分が読んだことある本で言うと、『そば屋再襲撃』はパンと似ても似つかないので笑った。


行った展示

すみだ北斎美術館@両国

時間の関係で常設展だけ見たが、これで400円とる?な内容だった。画狂老人卍が絵を描いてる様子を見れたのは収穫。

深川江戸資料館@清澄白河

お江戸でござる」の舞台の中に飛び込んだみたいだった。八百屋の大根がこんなに細かったのかーと驚くことも多い。4畳半が基本の住宅ですっきり暮らす長屋のしじみ売り、あまざけ売りの声が聞こえるのもポイントが高い。ボランティア説明員の説明が丁寧で、むしろこれがメインなんじゃないいかとも思う。

youtu.be

ダイソーで買った有線イヤホンで聞くKIRINJIもいいなと思った。


bunfree.net

5/19開催の文学フリマに出ます。TRCでの開催は最後です。
私のブースは【第一展示場 V-31】です。
なお、今回から一般参加は有料(1000円)です。是非前売りチケットをお求めの上、お越しください。当日券もあるそうですが、会場は大変混雑しますので、前売り券があった方が安心かと思われます。会場にはたのしい本がたくさんありますよ。

私の本の告知はもう少々お待ちください。