朝からソワソワして過ごす。ジムで走り、シャワーを浴び、朝ごはんを食べる。今日はいよいよ高校生の頃から夢見た宇多田ヒカルのライブだ。
今週はとにかく、怪我せぬよう、風邪ひかぬよう慎重に過ごした。無理はせず、早めに寝ることを心がけた。前日にSIENCE FICTION仕様に爪をホログラムっぽく塗った。
日中は動き回らずに家で同人誌の編集作業をしていたが、そわそわしていまいち手につかなかった。早めに家を出ることも考えたが、雨が止むまで家に家にいることにした。どんな格好で行くか迷ったが、ヒッキーのライブはリラックスして聞きたかったので、Tシャツにワイドフィットのデニム、スニーカーで行くことにした。ピアスはテディベア型のくまちゃんのピアス。今日はぼくはクマだ。身分証をちゃんと携帯していることを確認してから家を出る。
15時過ぎに横浜駅に着き、Kアリーナまでペデストリアンデッキを経由して歩いていく。途中人が詰まったりして大丈夫かな?と思ったけどすぐ解消されて良かった。湿度が高く、汗をかく。
Kアリーナは昨年できたばかりの施設で、広場の雰囲気からして新しい感じ。海風が吹き込み、喉がちょっとしょっぱい。リストバンド型のライトを買うか迷ったが、結局買わずに入場する。
15時45分に入場&発券。
席番を確認すると…
レベル1 8列目 1**番台
え????
1階席の8列目???
まっさかーと思ったら、本当に前から8列目だった。今生の運公を使い果たしたのでは?と思った。変な汗をかいた。生きてればいいことあるんだな…………………。
この日はSCIENCE FICTIONツアーの一番最後の日程だった。アルバム購入者向けの抽選の他、毎公演直前販売、リセールがあったので、申し込もうと思えば追加で申し込めはしたが、ただでさえ高い倍率の公演で見に行けない人も多くいると思うと、私はこの1回を大事に見ようと思った。
この心がけが効いたのか、これまでの日々の行いが効いたのか、神様からの思し召しなのかはわからないが、めちゃくちゃいい席で見ることができた。
開演前、会場内にはスピーカーから海鳴りのような、地鳴りのような音が響く。ドキドキしてるけど心は冷静なかんじ。
白いジャケットを着た宇多田にスポットライトが当たる。time will tellのイントロとコーラスが流れる。会場がどよめき、歓声が上がる。time will tellで開幕するのがあまりにしっくりきすぎて、納得感があった。なぜなら私は宇多田ヒカルの曲の中で一番好きなのがtime will tellであり、一番聞いているのがtime will tellだからだ。
曲間では「みんな、やっと会えたね! 今日はゆっくりしていって」とあいさつ。やっぱりリラックスできる服で来てよかったと思った。リラックスして聞こうと思った。Kアリーナは最新の設備だなけあってかなり音響が良かった。音の反射も全然気にならなかった。Lettersはキラキラした感じの照明。
「みんな、こんにちは。こんにちはとこんばんはで迷う時間帯だね。4時半って夕方かな? でも、黄昏どき。そんな瞬間をみんなと楽しめたらいいな」なんて、うれしすぎるコメント。まさにSCIENCE FICTIONのジャケットみたいな時間帯。
ステージの真横のため、前の人に被って見えなかったらいやだな…と思ったけど杞憂だった。ヒッキーがいる角度がちょうど開けていて、視界を遮るものは何もない。
3曲目はWait&See~リスク~。こちらも大好きな曲で、聞きたかったのでうれしい。「キーが高すぎるなら下げてもいいよ」のところで鳥肌が立った。時々ステージの袖の方まで歩いてきてくれるんだけど、目の前10mくらいの距離にヒッキーがいるんだよ。肉眼で表情までばっちり見える。絶対目も合った。今つけてるコンタクト一生外したくないと思った。絶対目ェ合ったもん…
6曲目のFor Youも一時期ずっと聞いていた曲で大好きだ。なんでこんなに私のツボを押さえてくるセトリなんだ!と思った。「ヘッドホンをして ひと ご み のなかにまぎれ ると」の包み込まれるような低音が本当に本当にかっこよかった。宇多田ヒカルの声は倍音がものすごく聞こえる。中音や低音が特に顕著で、オクターブ上でハモリをかぶせてるのかと思うくらい倍音が聞こえるタイミングもあった。ものすごい。
バックスクリーンはブラウン管テレビをたくさん映し出して、空気は一気に平成に。DISTANCEではオレンジ色の照明になったと記憶している。
「じゃあ、次の曲いってみよー」と笑う宇多田の無邪気さといったらない。travelingで会場は一気にノリノリに。「タクシーもすぐつかまる」『飛び乗る!』「目指すは君」などのコーレスもできた。私の体が自然と動く。音に合わせて体を揺らすのが楽しい。
後半は花のような形の虹色の衣装で登場。ここからは2016年のFantone以降の曲を歌う。あなた、何色でもない花は割と最近の曲なだけあって、今のヒッキーの声のキーに合っている感じ。歌いなれている感じもした。どの曲の合間だったか忘れたけど、「みんな、リラックスしていって。ここは安全な場所だから」と言ってくれた。ここは安全な場所。そう自分に言い聞かせると、ものすごく安心した。
「あなた」を歌っているときのヒッキーはパワーに満ち溢れていて、光り輝いていた。
「何色でもない花」の時だったかな、細い光がヒッキーのまわりをとりかこんで、花が開くようなライティングになるのは本当に感動した。あれは映像ではなかなか綺麗さが伝わらない演出だと思った。
コンサートの終盤のMCでヒッキーはこんなことを言った。
「25年もあれば、いろんなことみんなあったと思うけど、楽しかったこともよかったことも嫌だったことも、全部一歩ずつ同じくらい自分をここに連れてきてくれたと思ったら、“悪くないないじゃん”って思えるようになって。生きてると望んだものが必ずしも自分とっていいことだとは限らないし、望まなかったことがすごく自分を成長させてくれたり、何かを失ったりしても…失ったってことは与えられてたんだなって気づかされたり、失ったものはずっと心の一部になるって知ったり、与えられなかったものも、自分をすごく豊かにしてくれたなってこともわかったし、与えることも喜びとか満たされる気持ちもわかったし。すごく私はいい25年だったなと思うから、みんなもそうだといいなと思うし、これからの25年もいい時間になるといいなと思う。とりあえず今は最高ってことで。みんな、おめでとう!」(ヤフーニュースから引用)
もう、もう、もう、ありがとうしかないよ。ありがとう。
その後、「子供預けたり、仕事休んだり、体調整えたり、いろんなことを調整してここに来てくれたんだよね。わたしもだよ。わたしたち、待ち合わせ成功だね」と一言。本当にうれしい言葉だった。高校の時からずっと宇多田ヒカルのライブに行きたくて、10年越しに行くことが出来た。10年越しの待ち合わせ成功。ありがとう。
アンコールではタンクトップに着替えたヒッキーがElectricity、Stay Gold、Automaticを歌ってくれた。ありがとう…。Stay Goldは最終公演の今日だけの披露だったらしい。

ヒッキーに伝えたいことがたくさんあるのに、言葉にできない。情けない。でもこの情けなさがきっといいのだと思う。SCIENCE FICTIONツアーは本当にいいライブだった。
帰りは短時間だけだけどグリーン車に乗って帰った。感想をまとめようとしたけれど、胸がいっぱいで、何も書けなかった。窓につく雨粒と流れる光を眺めながら、帰路につき、家で適当にパスタをゆでて食べた。
セットリスト
1 time will tell
2 Letters
3 Wait&See~リスク~
4 In My Room
5 光(Re-Recording)
6 For You~DISTANCE(m-flo remix)*メドレー
7 traveling(Re-Recording)
8 First Love
9 Beautiful World
10 COLORS
11 ぼくはくま
12 Keep Tryin'
13 Kiss&Cry
14 誰かの願いが叶うころ
~衣装替え・映像~
15 BADモード
16 あなた
17 花束を君に
18 何色でもない花
19 One Last Kiss
20 君に夢中
アンコール
21 Electricity
22 Stay gold
23 Automatic